知ると怖い「風の谷のナウシカの都市伝説」

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風の谷のナウシカは色々と難しい作品だ。というのも、そもそも宮崎監督がアニメージュに漫画を連載するときに「アニメ化できない作品」を意図して描いたからだ。

SF作品としては素晴らしい出来で「星雲賞」を受賞している。また漫画としても「日本漫画協会賞」を受賞している宮崎監督はオタク嫌いで、オタクが見るようないわゆる「萌えアニメ」も大嫌いだ。

それが高じて声優も嫌いになり、ある時期にはジブリアニメでは一切声優を使わないということもあった。善悪のはっきりした単純な世界観で、どんな深刻なことも茶化してしまうような軽い話を憎んでいる。

だから「複雑」「善悪の区別がない」「深刻」「認めがたい厳しい設定」「悲劇的」なストーリーを主に漫画では展開した。まさに大人の読み物として描いたのだ。

その結果はアニメにも反映しており、暗い・怖い解釈が可能な場面がいくつもあるのだ。結果として風の谷のナウシカの都市伝説は怖くなってしまったのだ。

この記事では真実であり、怖い都市伝説を紹介したい。

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風の谷のナウシカはジブリ作品じゃなかった

これは都市伝説でもなんでもない。風の谷のナウシカはスタジオジブリ作品として認識されているが、実は「トップクラフト」というスタジオの作品である。

トップクラフトの詳細は検索すると出てくるので省くが、作品としては徳間書店の内部で宮崎監督、高畑監督、鈴木プロデューサーが企画した。そして宮崎監督がフリーの立場としてトップクラフトに加わるような形で制作を進めていったのだ。

宮崎監督の個人色が強い場合は「2馬力」(シトロエン2CVという車の愛称で、宮崎作品ではカリオストロの城でクラリスが乗って逃げた)という個人事務所名が上位に出てくるのでわかる。

このトップクラフトは海外作品の下請け制作会社として設立されたので、やがて仕事が無くなり休眠会社(登記だけあって活動していない会社)となる。

その後「天空の城ラピュタ」の制作時に徳間書店の外部の会社が必要になり、組織を変更してスタジオジブリと改名したのだ。

 

風の谷のナウシカの舞台は地球ではない?

これは都市伝説にすぎないのだが、風の谷のナウシカのストーリーは火星を舞台にしているという説を唱える人たちがいる。

まずあまりに荒涼とした世界なので地球とは思えないということから始まり、「火の七日間」の「」は火星の意味だという推理まで展開されている。

面白いのは「メーヴェ」は翼が小さすぎてあのサイズでは地球上では飛べないが、火星の重力は地球の三分の一程度なので飛べるという話だ。

これらの話は都市伝説だが、一片の真実を含んでいる。それは宮崎監督が地球とは思えないほど荒廃した世界を描きたかったということだ。

そしてその荒廃を生んだのは人間同士の争いであり、その原因は人間の欲望だ。荒廃しているのは人間の心だということを宮崎監督は訴えたかったのだ。

風の谷のナウシカの世界は火星ではないが、人間の心は火星くらい荒廃しているというのは当たっているかもしれない。

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ナウシカ姫にはモデルがいるという都市伝説

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まず「ナウシカ」という名前には由来がある。古代ギリシアの長編叙事詩「オデュセイア」第6歌に登場する「アルキノオスの娘のナウシカア」(アルキノオスはスケリア島のバイエケス人の王)がそれだ。

王女であるナウシカアのエピソードは残念ながら少ししか無い。また日本の古典「堤中納言物語」に登場する「虫愛づる姫君」のエピソード。

これは周囲の常識に逆らい虫と仲良くしているお姫様の話で、その設定が確かにナウシカとよく似ている。風の谷のナウシカはこの二人のお姫様を合成して作られたのだ。

このことは都市伝説ではなく「事実」として原作本の第一巻の裏表紙に書かれている。

 

ナウシカの本当の姿とは?

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結論から言ってしまうと人造人間であり、本当の人間ではない。ただ遺伝子的に改造された新人類なので、人造人間というよりは改造人間かもしれない。

これも都市伝説ではなく、原作にしっかり描かれている。アニメだけ見ていると分からないことだが、悲惨な事実である。ではなぜ人造人間を作ったのかというと、あの世界の歴史と関係がある。

戦争の結果、世界はすっかり有毒物質で汚染されてしまった。そこで人類は巨神兵という巨大な生物兵器(知能もある人間に近い生物)を作り、その力で世界をすっかり焼き払って浄化することにした。それが「火の七日間」だ。

そして本来の人類は有毒物質の中和装置として「腐海の植物」(胞子で増えるので正確には菌類)と、腐海を守ると同時に苗床となって腐海を拡大させる役目を持った「蟲」を作り、世界を浄化させることにした。

植物は胞子を出し他の生物の体を苗床として腐海を拡大していく。しかし地球の浄化には数千年かかるために、人類は人口冬眠することにした。

そして浄化が終わった後、自分たちを目覚めさせる役割を持った人造人間を作り出した。人造人間は人類より毒の耐性が高いが、逆に浄化された大気が猛毒となるように作られている。ナウシカはその人造人間である。

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「腐海、蟲、人造人間」の関係を解説した都市伝説は間違い?

これは調べたサイトのほとんどが間違った説明をしている。「瘴気=汚染された空気」となっているものはすべて間違いだ。「瘴気=純粋な酸素」が正解である。

植物には元々、二酸化炭素を酸素に変える「光合成」という力がある。それと同じように腐海の植物は有毒物質を取り込んで自分自身と結合して結晶化させ、純粋な酸素を出すのだ。

結晶化した植物はやがて砕けて土になる。その土には有毒物質は無い。だから腐海の深部やナウシカの研究室では有毒物質が無いので、純粋な酸素は発生しないのだ。純粋な酸素は猛毒だ。

昔の生物(細菌類)はこの酸素が増えたことによって絶滅し、酸素呼吸でエネルギーを発生するミトコンドリアを細胞内に取り込めた生物だけが生き残っている。

ナウシカの世界の蟲たちはあの大きな体を動かすエネルギーを高濃度の酸素から得ており、腐海を離れては長く活動できない。ナウシカたち(人造人間)も酸素に過敏で、細胞が酸化されて老化して壊れるようにできている。

それが「肺が腐る」ということだ。地球の浄化が進むということは、人造人間にとっては汚染が進むということだ。

腐海はどんどん広がり大地は浄化され大気も清浄化され人類が住めるようになっていくが、人造人間は死滅していくように計画されているのが風の谷のナウシカの世界なのだ。

 

風の谷のナウシカのラストは驚愕すべきものに!

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アニメのストーリーは原作の途中までなので中途半端な終わり方をしているが、原作のラストは強烈そのものだ。

自分たちが人造人間だと悟り、この先は亡びる運命で世界の汚染(人類にとっては浄化)は止められないと知ったナウシカは、とんでもない行動に出る。

人類は「新人類の卵」を用意しており、新人類の世界は争いもなく平和な世界になるようにと「詩」と「音楽」も用意して、人々の心に平安をもたらすようなシステムを作り上げていた。

ナウシカはそのシステムをすべて破壊して、新しい世界の可能性を全否定してしまった。なんとナウシカは新世界の破壊者となったのだ。

風の谷のナウシカは中途半端な都市伝説などはるかに超えるようなスケールを持った物語であり、宮崎監督が「アニメ化は不可能」と言ったように、原作を読んでいても理解できない人が大勢いるような難解な作品だ。

アニメの風の谷のナウシカが好きな方は、アニメの世界だけにとどまって原作を読まないことをお勧めしたい。

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