【風立ちぬの都市伝説】菜穂子の死や『来て』の意味

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風立ちぬ」は実に実験的な手法が取られている。関東大震災のシーンの効果音はなんと、人間の声なのだ。

震災の音以外にも「エンジン音」「プロペラの音」「蒸気機関車の音」等々…全て人の声だという。そして震災にまつわる都市伝説というのも存在する。

それは関東大震災のシーンの作画が上がってきた2011年3月10日。この日は1945年に東京大空襲があった日でもあり、同時に「東日本大震災」の前日でもあったのだ。

宮崎監督は震災のシーンをアニメにするか大変悩んだが、鈴木プロデューサーの「映画が時代を作る」という言葉を聞き入れて作ることにした。

今回の都市伝説記事では、取材に基づいて明らかになった意外な事実を紹介しよう。

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「風立ちぬ」は菜穂子の幻想という都市伝説

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都市伝説によると、このアニメには原作がある。それは宮崎監督自身が描いた漫画だと言う。

監督は月刊誌「モデルグラフィックス」で「雑想ノート」という連載を持っていて、その中の「風立ちぬ」というエッセイが漫画になった。「紅の豚」の原作も同様だ。

漫画「風立ちぬ」の特徴はほとんどの登場キャラが「豚の鼻」を持っていることで、これは「紅の豚」との連続性を意味しているが「欲望が強い」という批判も含んでいた。

漫画の中では「既に死んでいる人物」だけが人間の姿をしていて、菜穂子も同様だった。この漫画には「堀越二郎」以外に「堀辰雄」も登場するが、なんと彼は犬の顔をしている。

これは「賢いが攻撃的」というイメージを描いているためだ。堀越二郎と堀辰雄を合体させてアニメの堀越二郎にした話は有名だが、性格までミックスしたようだ。

そして重要な人物「菜穂子」だが、これは堀辰雄の題名小説からとった名前。そして都市伝説記者が見るには、このアニメの中心人物は菜穂子ではないだろうか?

この物語を簡単に説明すると、良家の子女が関東大震災の時に出会った東京帝大のエリート学生と避暑地の軽井沢で劇的な再会を果たすというもの。

そして恋に落ちるのだが…菜穂子は当時「死病」と呼ばれた結核に罹っており、高原のサナトリウムに入院してしまう。やがて二人は結婚。

しかし同居生活は短く、夫の邪魔をしないように菜穂子は療養所に戻って一人寂しく最期を迎える。まさに悲劇であるが、実はこれ。昭和における少女の典型的な展開なのだ。

現に当時の少女雑誌はこのような話で一杯だった。ちなみに「風立ちぬ」は航空機の物語ではなく、菜穂子による「恋物語への幻想」という裏設定になっている

だからこそ戦争の場面は出てこないし、航空機開発の場面も中途半端でゼロ戦すら出てこないことにも納得だろう。

 

UFOはやっぱり存在する?「風立ちぬ」の堀越二郎が見つけた仮説が都市伝説に…

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主人公である堀越二郎は三菱内燃機製造に在籍中、大日本帝国海軍の主力戦闘機の設計に関わっていた。

またドイツ留学では、当時最先端の「沈頭鋲」を用いたり逆ガルウィングを提案するなど、非常に優秀な設計者だった。

その堀越二郎が真剣に研究していたのが「空飛ぶ円盤=UFO」だ。戦後から間もない1947年。アメリカ人の実業家であるケネス・アーノルド氏が自家用機を操縦中、なんと9機の三日月形UFOと遭遇した。

彼はその飛び方を指して「円盤が水切りで跳ねているようだった」と口にして「空飛ぶ円盤」なる言葉ができたのだ。

この事件はアメリカ空軍の調査でアーノルド氏の疲労とストレスによる錯覚として片付けられたが、堀越二郎は独自にこの件を調べ続けていた。

そしてその研究成果を12個の仮説としてノートにまとめたのだが…これらの仮説は1つを除いて、なんとアメリカ空軍の見解と一致していたのだ。

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唯一説明できない1つの仮説はノートの3ページ目に書かれていたが、そのページだけが行方不明になってしまったらしい。堀越氏が自分で廃棄したのか、もしくは誰かに盗まれたのかは分からない。

ちなみに都市伝説記者の情報によると、アーノルド氏の親友も追跡調査をした時に黒い円盤を目撃しているのだ。

また、デビッド・ジョンソンという人物が同じ空域を自家用機で飛んで調査した際にも、黒いUFOを見かけている。

さらには同じ空域にいたユナイテッド航空の機長を初め、付近の飛行場の職員複数名にも目撃されていたのだ。

よって、単なる見間違いや気のせいということは考えづらい。さて行方不明のページには、一体何が書かれていたのか…?

 

こんな裏設定も…菜穂子の死や「来て」に隠された意味

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まず、主人公とカプロニ(実在の飛行機設計者)はどこで話しているのか?都市伝説記者の推理では、キリスト教の概念である「煉獄」だと思う。(この世とあの世の間にある、審判の場所)

そこでは死んだ人がこの世でした様々なことを見せられて、懺悔を強いられる。次に、軽井沢で出会った不思議なドイツ人「カストルプ」。

彼は原作では「クレソン食いのドイツ人」としか描かれておらず名前はなかった。都市伝説によると「カストルプ」という名前は、作家トーマス・マンの「魔の山」に登場した主人公の名が由来となっている。

この作品は、高原のサナトリウムに従兄弟を見舞いに行ったことで自分の結核が判明し、7年間入院することになった青年の話だ。「風立ちぬ」とストーリー的な絡みがある。

人物としてのモデルは「リヒャルト・ゾルゲ」(ソビエトのスパイだったドイツ人)だろう。彼は日本で捕まり、巣鴨拘置所で亡くなっている。

さらにもう一人の主人公である「堀辰雄」。彼も婚約者とともにサナトリウムで療養していたが、彼女は療養の6か月目に他界している。(このエピソードが「風立ちぬ」のきっかけ)

そして「風立ちぬ」というタイトルには秘密がある。これは堀辰雄が翻訳したポール・ヴァレリーの詩「海辺の墓地」の一説から取られた。原文はこうだ。

「Le vent se leve, il faut tenter de vivre.」

これを直訳すると「風が巻き起こった 私は生きていかなければならない」となる。

しかし堀辰雄は、これを「風立ちぬ いざ生めやも」と訳した。これは原文通りなら「風立ちぬ いざ生きなむ」となるが、文末を「生きめやも」と反語にしている。

つまり「生きていかなければならないのか?」と訳しているのだ。その上、主題歌となった松任谷由実の「ひこうき雲」(デビューアルバムの曲で、当時は荒井由実)にもエピソードがある。

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まず荒井由実の高校時代、近所で学生同士による悲惨なトラブルがあったそうだ。彼女はそれで「生きる意味」を考えさせられたという。

さらに小学生時代の友達が筋ジストロフィーにかかり、高校一年の時に亡くなっている。そして、葬儀で別人のような遺影を見たショッキングな思い出と「ひこうき雲」が関係していた。

あの子の命はひこうき雲」という歌詞の裏には、そんな悲しい事実があったのだ。このように「風立ちぬ」では「」に結びつくエピソードばかり目立つが、これらが作品を陰鬱な気分漂うものにしていたのだ。

また、菜穂子の「生きて」というセリフの真意が「来て」なのだという都市伝説もある。

煉獄が天国の手前の場所だとすれば「もう贖罪は終わったので、貴方も天国へ来て」という展開が自然だろう。よって都市伝説で言われているように「来て」が正解なのだ。

 

本当に最後?宮崎監督の「引退宣言」にまつわる都市伝説

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アニメ「風立ちぬ」がなんとなく陰鬱なのにも、理由があった。それは宮崎監督が「最後の作品」としてこのアニメを作っていて、「これで最後」という想いが全編に溢れているからだ。

正直、宮崎監督が何を思って「4度目の引退」を宣言したのかは分からない。ナゼなら「魔女の宅急便」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」の後にも同じような表明をしていたからだ。

では今回こそは、本当の本当に引退なのか?都市伝説記者からすれば、これは本当だと思う。

まず今回の宣言は「長編引退宣言」だということ。裏を返せば短い作品はまだ作る気があるという意味だし、実際に作ってもいる。

ポイントは監督自身があえて「長編は5年かかるから年齢的に無理」と発表している点。確かにその通りだろう。しかし、これ以外にも秘められた理由があると思う。

それはまず、原作が「自身で書いた漫画」だったということ。さらに関東大震災の絵コンテを3月10日に仕上げている。

東京大空襲」はご存知の通り、大勢が兵器としての飛行機の犠牲になった日だ。「風立ちぬ」でも「兵器としての飛行機の恐さ」を示すシーンがある。

これはロマンと悲惨さは「表裏一体」というメッセージだと思う。自分のロマンである飛行機は同時に、たくさんの犠牲者を生んだツールでもあると。

そう思っていた矢先にまた震災が起きたので、そこから何かを悟り「もうこの辺りで辞めた方が良い」と考えたのだろう。アニメ「風立ちぬ」の都市伝説は重い話ばかりで、正直あまり楽しめるものではない。

しかし、私たちに「平和」や「生きる意味」について考えるきっかけをくれる作品とも言える。たまにはエンターテイメント以外の都市伝説も悪くないと思う。

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