ドラゴンボールには3つの最終回が…【アニメ・漫画・原作】
今回お届けするのは、みんな大好きドラゴンボールの「最終回」にまつわる特集だ。
変な話だが、ドラゴンボールに関しては最終回だけで一本記事が書けてしまうほど面白いネタがあるのだ。
今回も様々な面から書いているので楽しんで欲しい。
Sponsored Link
↓本日のネタはこちら↓
そもそもドラゴンボールに最終回はあるのか?
始まったものは必ず終わるしどんな楽しいことにも終わりは訪れる。難しい話ではなく、連載漫画にもアニメにも最終回は必ずやってくるのだ。
漫画ならば、作者が止めたくなった時か打ち切りになった時に連載が終わると思うのが当たり前だ。ところが大ヒット作ではそうはいかない…
スピンオフ、外伝、続編、関連エピソードなど色々な切り口でオリジナルが増殖していく。
実はドラゴンボールでもアニメの「元祖ドラゴンボール」と「ドラゴンボールZ」だけが漫画原作の付いた作品で、あとは全てオリジナル作品になる。
そんな視点で見れば、ずっと作り続けられていくドラゴンボールに最終回は存在しないのだ。しかし別の見方もある。
ドラゴンボールの漫画連載の終わり方
現在でもそうだが「マルチメディア展開」というものが子供向けの業界にはある。
漫画は「アニメ」「グッズ」「オモチャ」等々関連商品と大きく連動しているし、出版社自体も漫画で儲けた分で「文化的には出版したいが売れない本」を出版している。
つまり、日本の出版文化は漫画の売り上げで成り立っているのだ。
これは最初にドラゴンボールの担当編集者だった鳥嶋氏が対談で明らかにしているが、ドラゴンボールは鳥山先生の希望通り「フリーザ編」で終わらせるべきだったという。
しかし国民的なヒット作品なのでそうはいかなかった…出版社だけでなく、テレビ局、オモチャ会社等々多くの会社の経営会議を経て、ようやく連載終了が認められたのだ。
結果として、アニメの「ドラゴンボールZ」の分までは原作は継続して連載された。鳥山先生は本当に辛かったと振り返っている。
これはマル秘エピソードだが、連載終了直前まで現場の指揮官である編集長には連載終了の件は内緒になっていたらしい…
現場の士気を考慮してのことだろうが、理由は明かされていない。
「元祖ドラゴンボール」の本当の最終回とは
第153話でフライパン山の八卦炉を鎮めた悟空は、無事に結婚を果たす。めでたしめでたしのハッピーエンドだが、実際は「ウェディング編って必要だった?」という疑問の声をよく聞く。
Sponsored Link
確かに天下一武闘会で盛り上がっていたのが台無しになった気もする。しかし、これはアニメ制作側にとっては重要なエピソードだったのだ。(ウェディング編はアニメ・オリジナルのエピソード)
これは次回以降のドラゴンボールZにあたり十分な準備をするために制作され、そのような素材も「バンク」(アニメでは何作も流用できる背景等の素材を貯めておいてこう呼ぶ)になる。
だから第148話の「やった!地球上最強の男」を最終回として見ておくのが良いだろう。
では、アニメ「ドラゴンボールZ」の最終回はどうなるのか?
鳥山先生は本当に連載を止めたかったので、このアニメには「これで最後」という意味で最後の文字「Z」を付けた。
連載に関する項目でも書いたように、本来は「フリーザ編」が鳥山先生の「本来の最終回」なのだ。だから第107話の「生きていた孫悟空 Z戦士が全員復活だ!!」を鳥山版・最終回と認定したい。
この後、毎度のオリジナル「ガーリック編」が作られた後「セル編」が始まる。おかげで人造人間18号が登場してクリリンが結婚できたので良いかもしれないが…
ちなみに「魔人ブウ編」の最後の方にもアニメ・オリジナルが挟まっている。第291話で続編を予感させる終わり方をしているのは、この時には「GT」の制作が決定していたからだ。
「ドラゴンボールGT」は制作側の単なるわがままか?
これは結論から言うとそうではなく、むしろ鳥山先生に対する思いやりが見て取れる。なぜか?
ストーリーも原作当初の「ドラゴンボール探しの旅」に戻しているし、その為に悟空を子供に戻してパワーも無くしている。
しかし、いかに人気作品と言えどそう簡単には行かなかった…結果として「個性的な悪役」と戦う路線に戻ってしまったのだ。
このシリーズの最終回は第64話の「さらば悟空…また逢う日まで」で良いと思う。ドラゴンボールGTは不人気作品と言われているが、敵キャラの設定などは大変良く出来ている。
ストーリーとしても今までの「総集編」として見れば面白い。本来26話ほどで終了のつもりが、64話も続いたのは立派なことだと思う。
「復活のF」そして「ドラゴンボール超」
「復活のF」は鳥山先生のアイデアであり、映画作品としての質は高い。このように映画オリジナルでも直接の続編が作られるのは素晴らしいことだし、ファンとしても嬉しい。
鳥山先生の想い入れの強い「銀河パトロール ジャコ」も取り入れて、なおかつ一部キャラクターはわざと登場させず続編となっている点も良い。
そして、ここまでのアイデアを整理・発展させテレビシリーズとしたのが「ドラゴンボール超」だ。最終回の話など見当もつかないが、鳥山先生のシリーズ原作というだけで筆者は嬉しい。
「神と神編」「復活のF編」と繋がっていく展開で、映画では描き切れなかった部分も説明されると予測する。
元々、鳥山先生は細かい設定をせず大筋だけ決めて漫画を書くタイプだと明かしているので、展開に関してもかなり自由が利くだろう。
作品は作者やスタッフ、そして読者・視聴者の想いが合わさって作られていくのだ。