ネタバレあり!「おそ松さん」の最終回と第二期の真相
「おそ松さん」は「自己責任系アニメ」と呼ばれている。
これはネタバレだが、作品中で「ギャグマンガ」と呼ばれるのはハードルが上がるから、自己責任アニメにしようという発言があったからなのだ。
「面白いかどうかは自己責任=楽しめないのはその人に合っていないから」という意味らしい。
つまり「みんなで笑える」ギャグアニメではなく「笑える人だけ笑う」趣味性の高いアニメを目指すという宣言だ。
これは最終回が一番顕著で、ネタバレすると「何の説明もなく状況が変わる」「高校野球の知識が無いと意味不明」「今までのストーリーを全否定」といった感じなのだ。
という訳で、今回はおそ松さんの最終回について紹介しよう。この話を楽しめるかどうかは、あなた次第である。
↓本日のネタはこちら↓
「おそ松さん」の最終回に登場する野球用語が面白い!
完全にネタバレのため、Aパートの中の野球ネタのみ解説しよう。ちなみに、下記の用語は野球を知らない人向けではない。
あくまでネタがコア過ぎるからだと思ってほしい…
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センバツ:「春の選抜甲子園大会」それまでの実績で、出場校が「選抜」される
21世紀枠:不利な条件をクリアして実績を出したという、教育的観点で選ばれる枠
こーしえん:阪神甲子園球場のパロディ
マエケン体操:広島カープの前田健太選手の奇妙なウォーミングアップ
カラ松の革ジャン:ドラゴンボールのパロディに見えるが、実は巨人の星のパロディ
8人で野球:野球漫画「アストロ球団」のパロディ
おそ松がピッチャー:野球アニメ「ダイヤのA」に、おそ松の声優「櫻井孝宏」がキャッチャー役、チョロ松の声優「神谷浩史」がピッチャー役で出ている
野球マン:ゲーム「実況パワフルプロ野球」に出てくる正義の味方
カラ松がキャッチャー:声優の「中村悠一」が、野球アニメ「大きく振りかぶって」でキャッチャー役
カラ松のサイン:ジョジョ立ちのポーズ
ウサイン・ボルトのポーズ:ウ「サイン」という駄洒落
4-6-3のホームラン:野球ではポジションを数字で表すが、通常は「6-4-3のダブルプレー」
対戦校名:横兵高校←横浜高校、仙台郁恵←仙台育英+榊原郁恵、BL学園←PL学園
コーチ松:野球漫画「タッチ」の柏葉監督のパロディ
…さて、これだけのネタを理解できる人が視聴者の中に何割いるだろうか?
これまで女子向けの面を出していたものの、おそ松さんの最終回はいきなり野球色が強くなっている。
その上で、アニメやゲームにも精通していないと分からないようなネタばかり出てくる…まさに自己責任系のアニメだ。
さらに十四松の野球マンの衣装にも、ネタが仕込んである。ただしこちらは野球ネタではなく、ここに書くのは不適切なR18ネタのため、今回は割愛させていただく…
ヒントは「恋する十四松」である。
「第四銀河」は大御所アニメのパクリなのか?「おそ松さん」最終回のパロディ
ところで、最終回のBパートに出てくる「第四銀河大付属高校」に見覚えは無いだろうか?ネタバレするが、これは「第三銀河帝国」のパロディである。
元ネタは「革命機ヴァルヴレイブ」というサンライズ制作のロボットアニメで、キャッチコピーは「世界を曝く」。
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Bパートの内容はこの戦闘シーンのパロディになるが、露骨にパクったわけではないので分からなかった人が多い模様だ。
アニメ業界の「内輪ネタ」とも言える展開なので無理もないかもしれないが、これをパロディにしてOKかと言えば…大変マズイ気がする。
なぜかと言うと、この作品は有り得ないほどの超一流スタッフによって作られたもの…
海外展開も視野に入れた日本アニメ業界の「勝負作品」とも言えるアニメであり、容易に手出しできないはずだからだ。
以下にスタッフを紹介するが、アニメファンなら理解できるだろう。
原案:「D.Gray-man」の漫画家・星野桂
監督:「ローゼンメイデン」の松尾衡
シリーズ構成:「コードギアス 反逆のルルーシュ」の大河内一楼
キャラデザイン:「いばらの王」の鈴木竜也
メカデザイン:「機動戦士ガンダム」の大御所、大河原邦夫
メカデザイン:「PSICHO-PASS」の石渡マコト
メカデザイン:「蒼穹のファフナー」の鷲尾道広
音楽:「機動戦士Vガンダム」の千住明
「おそ松さん」の最終回…まさに恐るべしである。
最終回から分かる「おそ松さん」第二期の行方とは?
「絶対有り得ない!」と言われた舞台化が実現したので、おそらく第二期もあるだろう。
それは第24話で「落書き」という形で予告もされているからだ。
また最終回でもエンドカードに謎の文字があり、分解して並べ替えると「第二期決定」と読める仕掛けになっている。では、具体的な時期は一体いつなのか?
大胆に言ってしまうと2016年には無いはずだ。何故ならアニメのスタッフというのは、一つのアニメが終わると大体パッケージで次のアニメに移動していくからだ。
アニメ業界のネタバレになってしまうが説明しよう。まず、アニメで一番大変なのは「作画」だ。
そして恐ろしいことだが、この担当者のほとんどが「独立自営業者」という形で仕事をしている。これにはアニメ業界ならではの裏事情がある。
それは事業主である場合、労働基準法に引っかからないからだ。通常雇われている人間は、労働時間等の雇用条件に関しては法の力で守られている。
しかし事業主として、自分で自分を雇っている場合にはこの限りではない。実際にアニメの制作現場へ行くと、およそ9割の人がそのプロダクションの人間ではなく、独立自営業者なのだ。
酷いときは200人体制の現場で、社員はたったの2人だけ…なんて事すらある。先述の通り、彼らは一つのアニメが終わればパッケージで次の現場に行くことが多い。
さらに、アニメ業界では人的資源も限られており、その大半が2つ先の仕事まで予約が入っているのだ。
例えば春アニメの担当なら、秋の分までは決まっているという具合に…「おそ松さん」に関しては最終回で予告っぽい展開になったものの、監督以下の主要メンバーは次の仕事が決まってしまっている。
だから最終回で「おそ松さんロス」の人たちには申し訳ないが、近々に第二期が制作されるということは無い。しかし「フルCGアニメ」ならあり得る気もする。
だがこの辺りはアニメ業界の綱引きもあって、簡単には語れないのだ。
「おそ松くん」の最終回もかなり意味深だった…
ここでいきなり原作の話になるが「最終回つながり」と言うことで、お読みいただきたい。「おそ松くん」の最終回にはこう書かれてあった。
「アインシュタインの相対性理論によって、時空連続体は可能になり、まんがは終わってしまった!」
これは「おそ松さん」の最終回同様に、だいぶ意味不明だ。
内容としては松野一家のフグ中毒による事故から始まり、主要キャラは全員亡くなってしまうというものだ。赤塚先生自身も逝去してしまう。
これは少年サンデーの30周年記念増刊号に「あのキャラクターたちは今」として掲載されたものだ。
実は赤塚先生。連載は適当に終わらせるタイプで、昔のキャラクターに関しては「全員死亡」で済ませていたという…
その理由は「続編を描くのが面倒くさい」「昔のキャラを今出してもウケない」という事らしい。
だから「おそ松さん」の最終回でも全員が亡くなるという展開は、ある種、赤塚先生へのリスペクトとも見て取れるのだ。
それに「おそ松さん」は赤塚流の不条理ギャグを継承したアニメだ。前の回で死んでも、次の話には普通に出てくるのが不条理ギャグアニメの常道だ。
だから最終回でこんなことになっても、何の不都合も無いわけだ。今回はかなりネタバレ的な解説になってしまったが、楽しんでいただけただろうか?
最終回を乗り超えた「おそ松さん」の第二期を楽しみに待ってもらいたい。