実は大人の事情だらけ!?「猫の恩返し」の意外な都市伝説
「猫の恩返し」はまずジブリ生え抜きの監督ではなく、他社の所属だ。次にキャラクターの絵柄が今までのジブリアニメとは違う。
さらに製作スタッフまでもがほとんど外注で、もはやジブリ作品とは呼べないのではという事実がある。都市伝説記者の調査では、この裏側には複雑な「大人の事情」も存在するのだ。
この記事では「猫の恩返し」の裏に隠された様々な事実を、調査に基づいて説明したいと思う。
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都市伝説ではなく事実!「猫の恩返し」は違う作品になるはずだった
アニメ「猫の恩返し」は独特の立ち位置の作品だ。まず原作が宮崎氏の依頼で書かれたということで、ジブリアニメでは初めてのケースに当たる。
そしてこの作品はジブリとしては異例ずくめだ。何しろ、そもそもはアニメではなくキャラクターデザインの依頼だったからだ。
某テーマパークからジブリに猫のシンボルキャラクターやデザインの依頼があり、「ジジ」や「バロン」等を提示したところ、デブ猫の「ムーン」が採用されたという。
そしてムーンを使って20分程度の「ショートアニメ」を作るという企画になった。この時点で都市伝説だろう。
宮崎氏に相談したところ「バロンを主人公にした探偵もの」という話になり、懇意にしていた「耳をすませば」の原作者、柊あおい氏に原作漫画を依頼した。
ところが漫画は「猫の王国に迷い込んだ女子高生」をモチーフとした少女漫画になり、しかもそのボリュームからかなりの長編になってしまう。
ところが「耳をすませば」の近藤監督が亡くなってしまい、また「探偵もの」でないということで宮崎氏は興味を示さず、急遽若手の監督を立てることに…
しかしジブリ内では、宮崎・高畑両氏以外の監督を立てることは難しく、結果的に外部の人を使おうという話になった。そこでアニメ会社のシャフトから「となりの山田くん」の制作で応援に来ていた森田宏幸氏に白羽の矢が立った。
ところが都市伝説によると、森田氏は少女漫画の表現が嫌いで初めは気が乗らなかったという。おまけにジブリは「千と千尋の神隠し」の製作中で人手不足に陥っていた。
その結果、なんとジブリ作品なのにスタッフのほとんどは外部の人で、ジブリ内製ではなく外注作品という異例なことになった。これも都市伝説的な話だ。
猫の恩返しに決して都市伝説は多くないが、この記事では意外な事実を紹介していきたい。
「猫の名前」が前作と違うのはナゼ?猫の恩返し・作者の都市伝説
まず「猫の恩返し」の作者と言えば、原作者の柊あおい氏ということになるだろう。何しろ三鷹に住んでいて「耳をすませば」の生みの親でもある。
さらに宮崎氏とは家族を交えた付き合いがあるほど、ジブリとは縁のある人だ。前例からして、宮崎氏が外部に原作を発注することは珍しい。
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さらに「耳をすませばのバロンを主人公にした探偵もの」を「女子高生を主人公としたファンタジックな恋愛もの」に変換してしまったのだから、柊氏が書いたと言えるのかもしれない。
しかし都市伝説では違っていて、作者は月島雫だと囁かれている。アニメ「耳をすませば」の中で、雫はバロンを登場人物としたファンタジーを書いている。
また、実際に雫は作家志望であり、映画版の最後では何かを書き始めていた。同時に「耳をすませば」公開当時の1995年、中学三年生だった雫は「猫の恩返し」がスタートした2002年には22歳で、十分作家デビューできる年齢に達していたのだ。
さらに「猫の恩返し」にはバロンだけではなく「ムーン」も「ムタ」として登場するなど、二つの作品をつなぐ要素もたくさんある。だから都市伝説では「猫の恩返し」は月島雫が作ったという裏設定が存在する。
ところがここで、都市伝説記者が調べた新たな事実がある…それは「猫の恩返し」は森田宏幸監督が書いたというもの。
と言うより、新しいキャラクターを作り出したという方が正しいかもしれない。森田氏は宮崎氏の「小さくて可愛いが強気の女の子」というキャラ設定が好きではなかった。
それで宮崎氏の許可を得て、自分好みの「背が高くてやせ形のちょっといい女」というキャラクターを作り出したのだ。その結果「猫の恩返し」は、従来のジブリアニメとは全く異なるデザインの主人公を持つことになった。
なので「猫の恩返し」は都市伝説としては、森田作品なのかもしれない。
「ハル」のキャラ設定は現代!森田監督が猫の恩返しで伝えたかったコト
都市伝説記者のつかんだところでは、森田監督は専門学校で講師をしているため「現代の女の子」をよく知っているという。では、そんな森田監督が描いた主人公像とは一体、どんなものだろうか?
それは当初のジブリアニメとは全く違ったものだ。従来のジブリ作品の女性キャラは自立していて、やりたいこともハッキリした気の強い女性である。
ところが「猫の恩返し」の主人公「ハル」は特にやりたいこともなく、日常に流されて生きていく普通の女の子として描かれている。だから学校には遅れるし、授業中もボンヤリとした様子。
好きな男の子はいるし、友達と遊ぶのも大好きである。何事もその場の気分で決め、ノリで生きる彼女。
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「猫の王国」という、とんでもない場所に行っても意外に気楽で、状況に合わせて生きているのだ。しかし、従来のジブリアニメに出てくる主人公の女の子は、壮大な何かに関わってきたし、物事についても深く考えていた。
ところがハルときたら、何よりも難しいことが嫌いで物事を深く考えることはしないのだ。さらに森田監督がこだわったポイントは、主人公ハルが冒険を冒険と思っておらず、その結果、作中でほとんど成長しない所だという。
ここは同時に制作されていた「千と千尋の神隠し」の主人公、「千尋」とは正反対な部分だ。つまりハルは、決して優等生ではないのだ。
「現代の女の子はそんなに簡単には成長しない」という森田監督の意見を反映して、このようなキャラになったそうな。これが専門学校の講師として多くの現代女子を見てきた、森田監督の「現実」に対する見方なのだろう。
これも都市伝説としてふさわしい。
「猫の恩返し」では声優が一切使われていない
「ジブリ作品」で声優を使わないのはもはや定番の都市伝説だが、「猫の恩返し」でも主要なキャラクターは全て俳優が吹き替えている。この作品には「ハウルの動く城」以来の常連である「TEAM NACS」も登場している。
そして同時上映の「ギブリーズ episode2」もそのような方針だった事は、意外と知られていない。しかも結構豪華な配役なのだ。
詳しくは調べてもらえば分かるが、一流の俳優が吹き替えていて「猫の恩返し」でも豪華俳優陣が行っている。よって、映画館に足を運んだお客さんが声優の声を聞くことはないが、これはジブリが「声優嫌い」というスタンスを徹底してきたからだ。
ちなみに「耳をすませば」の頃は、主人公と周辺キャラ以外は声優だったが「猫の恩返し」では先の通り、全て俳優が担当している。ちなみに「猫の恩返し」のバロンは「耳をすませば」のバロンと同キャラのはずだが、吹き替えだけは違うのだ。
それは、役柄に合わせて露口茂から袴田吉彦に交代されたからだ。また「耳をすませば」の雫を吹き替えた本名陽子は、「猫の恩返し」では「チカ」を担当している。
声優を使わないという点ではジブリ作品らしい「猫の恩返し」。しかし、前述の通りキャラクターデザインは森田監督のオリジナルなため、全くジブリ作品に見えないという点が面白い。
ところでこの作品。一見「ジブリファン」からの評判は宜しくないが、興行収入としては2002年に日本映画で第一位(65億円)を獲得している。一般客には面白いアニメとして評価されたようだ。
ジブリファンの中には依然としてこの作品を「食わず嫌い」で見ていない人が多いそうだが…密かに見る価値のある作品だと都市伝説記者は感じた。