千と千尋の神隠し…「千尋」にまつわる4つの都市伝説!
「千と千尋の神隠し」に関する都市伝説は、圧倒的に「千尋」に関するものが多い。
それは何故か。
他のジブリ作品ではサブ・キャラクターのエピソードや描写がある程度あるのに比べて、千と千尋の神隠しは千尋の描写が多く、サブキャラクターの描写が少なめだからなのか?
「油屋」は夜のお店だった!?
「油屋」は「ゆや」と読み、都市伝説では「湯屋」の書き換えだとされている。
江戸時代の湯屋では「湯女」(ゆな)という垢取りや髪すきのサービスをする女性がいたが、別の行為もしていたらしい。
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その後、湯女は禁止され男性の「三助」(さんすけ)に置き換わったそうだ。
彼女が契約で名を奪われて「千」になり油屋で働くということは、夜の世界で言う「源氏名」(げんじな)を付けられたということで、そういう世界で働くことになったと考えられる。
そういえば客は全員男の神様だし、風呂も個室になっている。都市伝説も案外当たっていそうだ。
宮崎監督はインタビューで「今の世界を描く場合。何が1番ふさわしいかと言えば、それは夜の産業だと思うんですよ。
日本は結局のところ、そういう社会になってるじゃないですか」と心中を明かしている。また、屏風に書かれている文字がその証拠だとも都市伝説では言われている。
千尋は計算高い性格だった
千尋は「荻野千尋」という本名だが、本編の描写を見ると湯婆婆と契約する際に「荻」の「火」の部分を「犬」と書いている。
つまり違う名前で契約したのだ。
これはハクに「湯婆婆に本当の名前を教えてはいけないよ」と言われたからだろう。本名で契約していないので契約を破っても帰れたのだ。
これは都市伝説が正解だろう。
両親が豚の群れにいないと分かった理由は?
千尋が何故、両親の見分けがついたのかという謎。これについて何の説明もないことを都市伝説で散々ツっ込まれ、宮崎監督もついに怒ったようだ。
彼は後のインタビューで「千尋はこれまでの人生経験から見分けがつくようになった。この映画で大事なのは理屈ではなく、観客が自分で考えること」
「分かりやすい説明をつけようとは思わない。僕は論理で作られた映画は大嫌いだ」といった趣旨のコメントをしている。
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千と千尋の神隠しの世界観から、観客が想像して自分なりの説明を考えてほしいということなのだろう。
ただ、実際のところは余分な説明的描写を入れると映画のテンポが悪くなって予算も余分にかかる。
なのでそれを嫌っていたというリアル過ぎる説もある。ファンとしてはそっとしておきたい事情だ。
千尋が帰りのトンネルを抜けた後…
彼女は神隠しの世界の記憶を失ったのか?これに関する都市伝説やファンからの疑問も多い。
例えば「千と千尋の神隠しは成長物語ではないとのことだが、現実世界に戻った後、千尋に何か変化はあったか?」という質問に対して、宮崎監督は次のように答えている。
「それはわからない。ただ、[全部が夢だった]という設定ではない。だから実際に車の上に落ち葉が付いていたり、銭婆に貰った髪留めが残っているのだ。
何よりこの物語は切ない。彼女は現実世界に戻れて一概に幸せではないし、仲間との別れの事実は避けられない」
つまり、「千と千尋の神隠し」では「ハク」や「リン」、「カオナシ」「油屋」の従業員など、自力で友達になった人との悲しい別れの方が重要だと宮崎監督は考えているのだ。
さらに彼としては、現実世界に戻ったことを「帰れた」ではなく「失った」と捉えてほしいということだろう。
千と千尋の神隠しは「女の子の冒険物語」ではなく「夏の思い出を失う物語」として作られたのだ。
よって、都市伝説もその点を考慮して書かれていくべきなのだろう。