《魔女の宅急便》の黒い都市伝説・裏話まとめ
ジブリの作品の中で年齢・性別関係なく人気が高い作品と言えば「魔女の宅急便」だ。
この作品にも当然のように都市伝説があるのだが、それは現実味があるけど現実ではないというまさしく都市伝説にふさわしい話ばかりだ。
この記事ではそれらの話を分析して詳述したいと思う。
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魔女の宅急便の原作ではキキが母親に!
ご存知のように魔女の宅急便には角野栄子氏の「絵本」という原作がある。ジブリがアニメ化したのは全6巻のうちの2巻までのストーリーで、その後キキが結婚して双子を生むまでが残りの4巻になる。
「とんぼ」が遠くの町の学校に行ってしまうので遠距離恋愛をすることになるし、ケケという変な女の子が転がり込んできたりする。そして22歳で結婚しやがて双子を出産。
魔女は結婚すると使い魔の黒猫と別れなければならないのだが、キキとジジは別れなかった。基本は「女の子の人生の話」で男の子が考えた女の子の話であるアニメとはだいぶ雰囲気が違う物語になっている。
興味のある方は原作を読んでみて欲しい。
キキが魔力を失った理由が都市伝説に
それはキキが子供ではなく一人前の女性になったからだと。しかし、これは全くおかしな話だ。
なぜならキキのお母さんは現役の魔女で、魔女は代々魔女の家に生まれるからだ。魔女は13歳で修行の旅に出るがやがて恋愛をして母になり、次の魔女を生むことになる。
だからキキの魔力が無くなった原因は他にある。ここで凄いことに、宮崎監督自身は都市伝説のように解釈していたらしい。
インタビューで「女の子なら誰でもわかる理由で魔力が無くなった」と説明している。さらにとんぼとの恋愛感情すら否定している。
つまりアニメ監督が原作者の考えと対立しているわけだ。このあたりが都市伝説を生み出す原因になったのだろう。
都市伝説ではあのクライマックスが…
実はあの飛行船の場面、とんぼを助けるクライマックスは原作には無いアニメ・オリジナルなのだ。原作は6巻まであるので次の巻では同居人が増えたり、その次ではとんぼと遠距離恋愛になったりと物語は続いていく。
しかしアニメは第2巻までのストーリーしかないので展開が地味だと客受けしない。
そこで考えられたのが魔力を失ったキキがとんぼを助けたい一心で魔力を取り戻し、ホウキではなくデッキブラシを魔力で使いこなして飛んで行くというあのラストシーン。
ラストのハラハラドキドキがあるから面白い作品になったとも言えるので、この改変は大成功だろう。
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魔女の宅急便はジブリ最後の作品になる予定だった?
スタジオジブリと言えば売れっ子アニメ制作スタジオのイメージがあるが、実際のところは赤字を量産するお荷物スタジオだった。例えば「かぐや姫の物語」は50億円の制作費と8年もの歳月をかけていた。
つまり、いつも採算を度外視して「商品」ではなく「作品」を作るスタジオだということだ。だから魔女の宅急便までの作品「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「火垂るの墓」も実はすべて興行収入では赤字だった。
信じられないがジブリの存在自体が都市伝説になりかけていたわけであり、魔女の宅急便がジブリ初の黒字作品なのだ。興行収入としてはなんとトトロの2倍以上…それでもジブリ作品の中では16位になる。
ちなみに50億円かけた「かぐや姫の物語」の興行収入は15位で25億円弱だ。ジブリの興行収入に関してはまとめがあるので、興味がある人はWebで検索してほしい。
アニメ作品の収入は「興行収入+DVD等のビデオ収入+関連グッズ等の収入」なので後々でも話題になれば全体としては黒字になるのだが…魔女の宅急便以降のジブリ作品はすべて黒字かというとそうでもないが、興行収入的には改善された。
これは魔法なのかもしれない。
黒い都市伝説には「あの会社」が関わっていた
魔女の宅急便最大の都市伝説と言えば「クロネコヤマトの宅急便」に関するものだろう。
これは色々と噂されたがご存じない方のために簡単に話すと、一番黒い噂は「ヤマト運輸」が企画段階から会社の宣伝のために推進していたというもの。そして商標権侵害を許したのは会社の宣伝になるためで裏取引があったと言われている。
しかし、こういった噂はすべて都市伝説に過ぎない。原作は最初から「魔女の宅急便」で作者の角野栄子氏は「宅急便」を一般名称だと思っており(一般名称は宅配便)絵本出版時には誰も気づかなかった。
またヤマト運輸も、アニメ公開まではそのことに気付いていなかった。最初から宣伝のために企画した事実は無いし、そんなことをしたら売れなかった時にはマイナス効果になってしまうので企業はそういうことをしない。
そして決定的な事実なのだが、「本の題名」「アニメの題名」に実際にある企業名を使っても、法律上は商標権の侵害にはならないのだ。だからヤマト運輸に関する都市伝説はすべて事実無根ということになる。
まあ一般的に都市伝説のほとんどはデマなのだが、魔女の宅急便に関しては最初に書いたように「本当らしい」ものが多い。しかし検証してみると都市伝説に過ぎないものばかりだった。
やはり素直にアニメを楽しむべきなのだろう。