【ワンピースの裏話】作者・尾田栄一郎の知られざる秘密
ワンピースの典型的な裏話と言えば…まずは「ギネスブックに載っている」という事があげられる。
連載の「長さ」では同じ少年ジャンプに所属している秋本治氏の「こち亀」には負けるものの、「発行部数」という点では圧倒的に他の作品を超えている。
ギネスブックに認定された時点では3億2,086万6,000冊と、これは国民1人あたりが3冊以上持っている計算になる。
発売開始からギネス認定まで17年かかっているが、この発行部数はとんでもない記録である。
これはほんの一例に過ぎないが…今回は作者の色々なエピソードを交えながら「ワンピースの裏話」を紹介したい。
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ワンピースの裏話、「女性らしさ」をあえて目立たせない理由とは?
このような見出しを書くと「ワンピースにも女性キャラは多い!」と言う人も少なくないと思うが、作者は「女性を女性として描く」ことをあえて避けているのだ。これは作者自身が裏話として、以下のように発言している。
「少年マンガなので恋愛は描きません」これはある意味、凄い発言だ。そう、青年漫画なら恋愛は重要な要素になるだろう。
例えば「タッチ」などは少年マンガではなく、少年誌に掲載されている青年マンガだろう。少年マンガは「ワクワクするような冒険」を描くものなのだ。
これは尾田氏が尊敬する鳥山明氏の代表作「ドラゴンボール」を見てもよくわかる。本来、恋愛というものは「少女マンガ」が受け持つべき要素で、「少年マンガ」には不要だ。
それを尾田氏はハッキリと言っている。「友情・努力・勝利」には「恋愛」は入っていない。さらにもう一つ、あまり指摘されていない裏話がある。
裏話というより裏設定だが、ワンピースではエースの場合を除いて「母」というものが出てこない。これは「ドラゴンボール」でも同様だ。男の子にとって母親というものは、ある意味、邪魔な存在だからだ。
マザー・コンプレックスという言葉があるように、母親を描くことによって恋愛的要素が入り込んでしまう。また「ワクワクするような冒険」に出るのを妨害するのは必ず母親なのだ。
また従来の少年マンガでも、母親が登場すると大抵は「口うるさい」「すぐに怒る」「管理者」のような人物として描かれており、少年の自立を妨害する存在だ。
母親は反抗期以降、自分の人生の妨害者にしか見えないのが「少年」というものだ。それならば、あえて「母親を登場させない」選択肢を選ぶのは良いことだと思う。
裏話的には、さらに尾田氏はもう一歩踏み込んだ発言もしている。それは「萌えキャラ全否定」だ。
「少年マンガに萌えは不要」とアニメ化の際に言っていて、さらに「自分のポリシーに反する」とも発言している。実はジブリで宮崎駿氏が声優を起用しなくなったのも裏話によると、同じ理由らしい。
「萌え」というのは作者の意図に関係なく、作中の人物を「要素」として「勝手に妄想の世界を構築する」行為で、作品を味わうことではないからだ。
あくまで自分の作品はストレートに楽しんで欲しい。お子さんが安心して楽しめる漫画を描きたいと言う表れなのだろう。青年マンガの中でも「不良もの」「レースもの」「格闘もの」等は、この流れの延長線上にある。
仮に恋愛要素が描かれてもそれはほんの少しであり、決して主題になることはない。ワンピースの読者に40代50代の男性が多いのも、ワンピースのこういった面が読者の気持ちに合っているのだと思う。
作者にまつわる裏話。ナゼ漫画家を仕事にしたのか?
尾田氏のお父さんは趣味で油絵を描いており、その影響で幼少から絵を描いていたらしい。裏話としては「絵を職業にすればサラリーマンにならなくても良い」という点から漫画家を志したとのこと。
「キャプテン翼」に影響されて、小学生からサッカー部に入っていたというのも彼らしい。この時に「チームワーク」の楽しさに目覚めたという。
その後は、中2くらいから漫画を本格的に書き始めたらしい。実はこの頃から既に海賊の漫画を描くことを決めていて、アイデアを貯めていたという。
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現在の凄い数の伏線は、こうやってストックされていったのだ。高校2年でジャンプの手塚賞に入選、翌年には別の賞にも入選して進学した大学(九州東海大学)は一年で中退した。
ここまでの尾田氏の経歴で分かることは、「ブレていない」ということだ。当初、海賊に興味を持ったきっかけは「小さなバイキングビッケ」というアニメからだが、最初に読んだのは「怪物くん」だ。
ご存知の通り、怪物くんは手足が「ゴムのように伸びる」のだが、この話を裏話として書いている記事は無い。きっと怪物くんを読んだことが無いのだろう。
つまりルフィの能力は既に決まっていたということだ。また、尾田氏がジャンプで一番好きな漫画は「キン肉マン」だが、ワンピースに出てくる「パンダマン」も彼が子供のころに考えついた「超人」なのだ。
これも裏話になるが、ワンピースのキャラクターの多くは「キン肉マン」からヒントを得ている。ちなみに、最も尊敬している漫画家は「神」と崇める鳥山明氏であるが、構図は彼のドラゴンボールを参考にしているようだ。
このように、尾田氏は子供のころから積み上げたあらゆることを使ってワンピースを書いているのだ。「ナゼ漫画家を志したか」というよりも、彼は漫画家になるために人生を生きてきたと言えるだろう。
残っている資料によると、ワンピースの「初期構想」だけで2年もかかっているのだから。
尾田氏のアシスタント時代、漫画家たちとの裏話
ワンピースの作者は独立するまでに、3人の漫画家のアシスタントを経験している。まず一人目は「甲斐谷忍」氏である。
代表作はワインブームに繋がった「ソムリエ」、異色の野球漫画「ONE OUTS」、そしてドラマ化されている「LIAR GAME」だ。甲斐谷氏のアシスタント時代には裏話として以下のような話がある。
まず漫画の技能としては「書き込む楽しさ」を覚えたのがこの時代だという。尾田栄一郎氏といえば背景の雲一つでも自分で書き込むことで有名だが、甲斐谷氏のアシスタントになるまでは面倒くさくて背景など書きたくなかったという。
それに「パース」などの基礎を全く知らなかったという裏話もある。また甲斐谷氏の元ではたくさん非常識なことをしたので、「弱みを握られている気がする」と尾田氏は語っている。例えば、仕事中にテレビ番組を見せて欲しいなどと要求したり…
二人目は「徳弘正也」氏で、代表作は「ジャングルの王者 ターちゃん」。氏の作中には青少年には際どい「夜ネタ」が多いが、それをきちんとギャグとして描けるマンガ家であると評価されている。
氏のアシスタント時代に尾田栄一郎氏は「泣き顔」「ギャグのテンポ」を学んだ。彼は徳弘氏のことを「凄い泣き顔が描ける」と評している。
ルフィの涙と鼻水を同時に描き込むやり方はこの時代に覚えたらしい。また、シリアスな場面の途中にギャグのコマを挟む手法もこの時代に学んだという裏話もある。
人間としての徳弘氏のことは「本当のプロ」「一生の恩人」と記している。ある意味、人間として最も尾田氏に影響を与えた漫画家と言えるだろう。
三人目は「和月伸宏」氏だ。代表作は大人気作でもある「るろうに剣心」、そして「武装錬金」だ。
剣士を主人公にした作品で知られる和月氏からは「剣を使ったバトルシーン」を学んだとされる。また和月氏はアシスタントを育てることが上手で、多くの漫画家を輩出し「和月組」と呼ばれている。
そしてこれは裏話というより都市伝説になるが、ワンピースの人気キャラクター「赤髪のシャンクス」のモデルは「緋村剣心」だと言われている。そう考えると確かに、髪の色・顔の傷・圧倒的な剣の力等の共通点は多い。
ちなみに尾田氏の作品で何にも似ていないのは「ルフィの眼」で、これは意図的に「どこにもない眼にした」と尾田氏は言っている。
では、ワンピース作者の私生活は?
まず一番気になる年収だが、これはあちこちに書かれているように「30億円以上」ということだ。また資産というと単行本の売り上げや版権料から計算して「100億円以上」ということで良いだろう。
既にスーパーリッチで、氏の家の中には鉄道(もちろん模型だが)が走っているという。これはWeb上に写真がある。
また奥さんは元モデルで、女優さんだ。ワンピースのミュージカルで「ナミ」の役をやった時に知り合ったということで、大変仲が良いと言われている。この美人の奥さんの写真もWeb上にあるので、気になる方は検索して確かめて頂きたい。
仕事ぶりでいうと「週三日ネーム」(あらすじとセリフを書く作業「週三日執筆」「週一日は単行本用のリライト」で休みはない。サラリーマンが嫌いだったのに、それ以上のモーレツな仕事人間になってしまったらしい。
ちなみに一日の作業時間は「14時間」だという。これは労働基準法違反な働きぶりだ…
上に書いた以外にも、絵柄としては神と崇める鳥山明氏に似せてしまったこと。
ジャンプのイベントで鳥山氏のサインが貰えずショゲている所を甲斐谷氏に引き合わせてもらい、サインも頂いた上に対等なポジションで握手して写真を撮ってもらったことなど…裏話は実に多い。
とても一つの記事にはまとめきれないので、続きはまた次回紹介しよう。